「山と食欲と私」で山ご飯デビュー

山マンガ、いろいろあります。代表的なのはなんといっても「岳」でしょうか。もうこれは私にとってはバイブルです。私がほぼ無理やり貸して読んだ人も、「岳」をきっかけにすっかり山にはまっています。→4年ぶりにこの人に尾瀬で偶然会うことに! 山の世界って狭い!


超でか目で、かわいさアピールの萌え~っぽいマンガは好きではありません。アニメとなると、なんでアニメの女の子の声ってあんなに甲高いのでしょうか?5分でギブアップです。「山と食欲と私」は一応は少女漫画のようですが、これは楽しく読んでいます。

内容は単独登山女子の鮎美ちゃんが、山に登って山ご飯をつくって食べるという内容です。それだけ? はい、それだけ。遭難するわけでもなく、だれかを助けることもなく(迷子を助けたことはある)、名だたる名峰に登るわけでもなく、だからこそ身近に感じられる山マンガなのです。私とは違ってテント泊をし、歩くのも速いようですが。。。

ストッパとコラボの鮎美ちゃん

私は山に登り始めてはや9年。といっても登ったり登らなかったりですが、この9年、山で使う鍋やらガスバーナーなどはかたくなに持つことを拒否してきました。私が持っていないことに驚く山友もいましたが、「だって重いじゃん」というのが主な理由です。持っていなくても特に不便はないし、山小屋もあるし、いつまで登山続けるかわからないし。。。

お腹ぎゅるぎゅるな鮎美ちゃん

そんな私を変えさせたのが「山と食欲と私」です。もともと山ご飯に興味がない私、もちろんこのマンガにも興味がありませんでした。そんな時、テント泊好きな会社の山の先輩が「読んでみる?」と貸してくれたのがきっかけで読むことに。はじめは単なる面白さで読んでいました。まだ山ご飯は他人事です。が、運命の第5巻、ぶり大根の登場です。鮎美ちゃんは家で作ったぶり大根を山であたため、ほっかほかのぶり大根をおいしそうに食べます。〆は、残った汁にうどんを投入。寒い山の上で食べる、湯気たつぶり大根! これはやってみたい! ということでクッカーを買うことを決意いたしました。

こだわれば奥が深いのでしょうが、私はなにせあまり知識がなく、とりあえず山でよく見かける黄色いガスと五徳を購入。
 

この黄色のガスと迷ったものはこちら。SOTOのバーナー。こちらは五徳が防風使用になっていて火のまわりがお皿のようになっています。なぜSOTOを選ばなかったかというと、マムートと一緒でカッコイイから。私がカッコイイものを持つとなんか名前負け、アイテム負けしそうなんです。「そんなよちよち歩きで〇〇を持ってるなんて生意気」と言われそうで。気にしずぎなんですけれど。防風も必要なほどひどいコンディションの中、私が煮炊きをするとは思えません。

そして会社の先輩「着火装置って、そのうちつかなくなるよ」 でもそれって何十回使った後でしょ? →何十回ではなく、5回目でこのプリムスバーナーの着火装置は点かなくなりライターを持ち歩くことになりました。着火スイッチはすぐ壊れましたが、プリムスのガスはたまに値下がりしていることもあるのでプリムスでよかったです。

お鍋はとにかく軽いもの重視でチタン製の中から選びました。

これを選んだ理由は、ガスIP-110がちょうどすっぽり中に入ること。そして注ぎ口があることです。料理というより、温めるくらいしか使わないと思うので私にはこれで十分です。→後日、調子に乗ってバナナを焼いたら底が真っ黒こげになりました。

そして山ご飯デビュー当日。ジップロックに家で作ったぶり大根を入れ高尾山へ。見た目はぱっとしませんが、超おいしい~ クッカー買ってよかったです。山小屋のご飯は楽しみですが、朝食はどこも同じようなことが多いので、朝食だけでも自分で用意すれば少し節約にもなります。

ぶり大根は敷居の高い料理だと思っていましたが、こんなに簡単だったとは。この後もたびたびぶり大根は食卓にでてくるようになります。料理はあまり好きではありませんが、少し楽しくなりました。思いがけない副産物でした。

「山と食欲と私」では美味しいものばかりでなく、失敗作もあります。ビールで炊いたご飯とか。鮎美ちゃんもビミョーな表情で食べていますが、またこれが現実味があって面白いのです。いま気になっているのは「おしるこwithウィンナー&チーズ」、「肉じゃが甘酒うどん」。美味しいんだか、まずいんだか。

話が進んでいくにつれ、登場人物も増えていき山婚に参加したり、札幌でスノーシューハイキングしたりと活動範囲が広がっていきます。それはそれで面白いのですが、最初のころのほうがメスティンでご飯を炊いたり、真摯に登山と山ご飯に向き合っていたような?