東京から尾瀬に行くとなるとたいてい鳩待峠から入ることになると思います。私は以前添乗員をやっていて尾瀬は数えられないほど行っていますがすべて鳩待峠ピストンか鳩待峠から大清水に抜けるコースでした。今回ははじめて福島側から入ります。
尾瀬夜行23:55
車でくる栃木の山友さんたちと尾瀬御池で待ち合わせです。そこまでは自力で行かなくてはなりません。夜行バスはないので東武鉄道の「尾瀬夜行23:55」で向かうのですが、満席でなかなか予約が取れません。山友さんは「宇都宮駅まで迎えに行くよ」と言ってくれましたが、宇都宮市内の人じゃないんですよね。尾瀬夜行のキャンセルがでないかと毎日毎日電話をし続け登山2日前に奇跡的にキャンセルがでて予約がとれました。やったー! 旅行代理店東武トップツアーズのカウンターで支払・チケット受け取り。一応山なので、ということで簡単ですが登山計画を書かせられます。フツーの旅行とは違うんだぜ~という優越感にちょっと浸ります(なぜ優越感?) 片道切符¥6,000-(夜行列車+登山口までのバス) 列車とバスをバラバラで購入した場合、特急リバティー浅草~会津高原尾瀬口駅¥4,430- 会津バスで駅から御池登山口¥2,140 なので¥500-ちょっとお得です。
さて出発当日。雷門前のデニーズで時間をつぶし東武浅草駅へ。改札前のベンチは数が少ないのでたくさんの人が立って待っていました。トイレで歯磨きをしてプラットホームへ、尾瀬23:55(ゴーゴー)に乗車。
この夜行列車には特急リバティの車両が使われているのですが、リバティってLiberty(自由)かと思ったらRevatyでした。座席にはもちろん電源コンセントの穴があり、Wi-fiも使えます。以前はスリッパと毛布もあったそうですが今はありません。23:55浅草駅を出発 車内でもクマ鈴鳴らしているアホがいます。張り切りすぎ。車内にクマはいませんよー
最後の乗車駅は0:42春日部駅です。つまりこの時間まで車内の電気は明るく、乗ってくる人もいるのでざわざわしています。私はそれとは関係なく、夜行列車に興奮してしまっているのか1:30過ぎても2:00になっても目がギンギンにさえています。2:30になるとさすがに焦り寝なければ寝なければと頑張ります。うとうとしたら3:18会津高原尾瀬口駅に着いてしまいました。
外で並んでしばらく待っているとバスが4台きました。私は2号車に乗りました。出発し、目が半開きでうつらうつらしていると、運転手さんが無線で話しているのが聞こえます。「なんか煙でてきちゃったよ。これじゃあ上がれないなぁ。どうすっぺ~」んん? なになに? 「長堀くんのとこどう? あ、そう、10人ね」 バスがゆる~くプルプルと走り、とうとう止まってしまいました。故障? 3号車が脇を通り過ぎて行きます。「故障しちゃったんで、とりあえず前から10人の人おりてください」 私はラッキーにもその10人に入ることができ、4号車(長堀号?)の空席に乗ることができました。バスで尾瀬夜行23:55のピンバッチをいただきました。フリマアプリに出品中。→なんと1日で購入していただきました!
6:00 尾瀬御池到着 トイレに行ったり準備をしていると、栃木から車を飛ばしてきた山友さんたちが到着。故障したバスから別のバスにぞろぞろ乗り換えているのを見たとか。故障はしたけれど超スピード対応です。しょっちゅう故障するのかしら。この故障バスは、数時間後の私を暗示しているのか? ここでなんと5年前に派遣で勤めていたいたO社の上司に偶然にも会いました。奥さんに私を紹介する時、「『岳』を貸してくれた人だよ」と。そう、山好きな人にとってのバイブル、マンガの『岳』を私が貸したことで山をはじめたのです。私もごくまれにいいことをするのです。
燧ケ岳
燧ケ岳って尾瀬をはさんで至仏山の反対側にある山でしょ。そうなんですけれど、それだけじゃありません。100名山で、これはよく知られていますが、なんと東北で一番高い山なのです! 飯豊山とかもっと存在感のある山かと思っていましたが、燧ケ岳とはビックリです。
6:40 御池登山口出発(1548m) トイレや売店、広い駐車場、花壇にはニッコウキスゲが咲いています。スタートは木道ですが、燧ケ岳方面に足を向けるとなかなかの急な坂、しかも岩ゴロゴロです。
岩がなければぐちゃぐちゃのド・ロード。このあまり面白くない道をもくもくと進むと。。。
7:40 広沢田代 じゃじゃーん! かわいいワタスゲがこんにちは。はじめて本物を見ました。
チングルマもいます。もう果穂になってるチングルマはワタスゲと一緒にふわふわの共演です。
うっすらガスっているのもメルヘンです。
ワタスゲの中を歩きます。
もうワタスゲだらけ。
近くで見るより、少し離れて見るほうがよさそうです。
楽しかった湿原を通り過ぎ、また登っていきます。
けっこう登りました。後ろを振り返ると先ほどのワタスゲのメルヘンエリアが見えます。
8:30 熊沢田代 ここもワタスゲをはじめお花が咲いています。ベンチがあるので少し休憩。ここでキュウリタイムです。保冷材を入れて冷やしたキュウリ一人1本、そしてもろみ味噌を山友さんへ。とても喜んでくれたのでよかった!本当は頂上で出したかったのですが、どうも体が重く、少しでも荷物を減らしたかったためここで食べてもらいました。
こんな木道がずっと続けばいいのに。。燧ケ岳頂上はまだ遥か先です。そしてポツンと咲くニッコウキスゲ。
また登って登って後ろを見ると先ほどキュウリを食べて休憩したところが下に見えます。うーん、ダメだ。。一歩一歩がつらい。。。
10:45 爼嵓 2346m(まないたぐら) 頂上かと思っていたら頂上は隣なんですって。もう動けません。「往復40分だから」と励ましてくれる山友さん。みんなで行ってきて、とは言えず行くことにしました。荷物はデポ(置いていく)します。
一回下って、また上がって。もう正気の沙汰とは思えません。うーん、ツライ。途中シャクナゲがたくさん咲いていましたが、どうでもいいです。
11:20-35 燧ケ岳 2356m(柴安嵓 しばやすぐら) コースタタイムのほぼ倍かかって到着。下に尾瀬ケ原が見えます。早くあの平面の世界に行きたい。。。
12:00-45 再び爼嵓 ここでランチタイム。食べようとすると、おぇってなるし、頭は痛いし、絶不調です。タオルをかぶって暑いなかぐったり横になります。これじゃあ今朝の故障バスみたい。少しうとうとしたら少しだけ体調が回復しました。尾瀬沼が見えます。こんな体調で下山できるのでしょうか?山友さんに荷物を持ってもらって下山。荷物を持ってもらうなんて悔しいけれど、これ以上遅くなって迷惑をかけるよりかはマシでしょう。ナデッ窪道を下ります。
ナデッ窪道は急だけでなくなかなかワイルドな道です。倒木も数か所あり、あまり人気のコースではないようです。尾瀬小屋のスタッフにあとから聞いたのですが、この道は整備がされてないのであまりおススメではないそうです。
15:00-15 沼尻平 ナデッ窪道をくだっている時にたまに見えていたオアシスまでもう少し。あの建物にはきっと冷たいジュースがあるに違いありません。もももしかしたらかき氷なんかもあるかもしれません。
クレープアイスもありましたが、私は炭酸が飲みたくて自動販売機のコーラのボタンを押しました。取り上げたコーラは、ん?んん? 冷たくない? 水滴はまったくつきません。ぬるい炭酸っておいしくないですねー オアシスは蜃気楼だったようです。
ここから宿のある見晴までは木道だけかと思ったら、しっかり山道もあります。そのたびにブーブー文句を言う私。文句を言う元気がなくなると無言です。お気の毒な山友さんたちよ。
途中水場があり、飲んだり顔を洗ったりして気分転換。冷たくてずっと手をつけていられません。
尾瀬小屋
16:50 見晴(1415m) 尾瀬小屋到着 よかった! たどり着きました! ゆっくりしたいところですが、なんと夕飯は17:00から、お風呂は17:30まで。えー! 食事は一度に全員は食堂に入れないので、二回転目をねらい、とりあえずお風呂へ。
お風呂は温泉ではありませんが、汗を流せるだけでもうれしい。浴槽は3人ほどが浸かれる程度。もちろん石鹸・シャンプーは環境保護のため使用できません。お湯は、ちょっと垢が浮いているかんじです。だれだよ、垢をこすった人は! Again, 山では汗を流せるだけでもうれしいのです。
夕ご飯。ナスの天ぷらかと思ったら、魚(ヤマメかイワナか?)でした。おいしかったのですが、体調が悪い私は全部食べることができませんでした。山小屋で残すなんて、ごめんなさい!
お部屋(個室) 写真には写っていませんが、小さなちゃぶ台がありました。個室料金¥500をプラスし、一泊二食付きで計¥9,500-。
畳の縁がなんと水芭蕉です! 芸が細かい!
談話室 テレビが立派です。
談話室の横にあったポスト。消印が気になります。
トイレはもちろん水洗です。
携帯電話はauバリバリ電波たってます。docomoは心もとない電波状況、山でdocomoにauが勝つなんて。だって↓これですもの。
見晴
部屋で飲もうと思いましたが、暑いので外のベンチで飲むことにしました。ここ見晴はもはや山ではない。リゾート地です。本当の山小屋は私も含めてジジババが多いのですが、ここは若者や子連れのファミリーがたくさん。しかも若い女の子たちはキレイに化粧をしているではないですか。山友さん「キレイな人が多いなー」 すみませんね、キレイじゃなくて。
山小屋もガッツリな山小屋ではなく、避暑地のオシャレなお店のようです。
原の小屋 ワインやピザなどもあります。私が本調子だったら絶対食べたと思われるケーキセットもありました。
第二長蔵小屋 電気をこんなふうに贅沢に使うなんて! まぶしいです。ここは若い女の子たちでにぎやかでした。
ひのえまた小屋 ここ近辺で唯一かき氷をおいているところです。明日食べよう。
弥四郎小屋 大人な雰囲気のカフェ。ここでゆっくりコーヒーを飲むゆとりがほしい。
私は次の日に備えて早めに就寝。猛暑と睡眠不足が良くなかったのでしょう。明日は万全の体調で楽しみたい。
元気な山友さんたちは、満点の星空を楽しみ、蛍まで見たそうです。
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