甲斐駒ケ岳1日目 しんどかった黒戸尾根~七丈小屋でジンジャーエール

私は百名山には興味がありません。もちろん日本三大〇〇にも興味がありません。いつか甲斐駒ケ岳を登るのだったら、北沢峠から登って北沢峠に降りてこもれび山荘に泊まり、翌日は仙丈ケ岳に登るというのをイメージしていました。が、山友さん(メガネをかけているので仮にのび太としよう)が甲斐駒に登りたいというので、せっかくなので日本三大急登の黒戸尾根から登ることになりました。私ひとりだとムリだけど、のび太がいればなんと黒戸尾根も登れそうです。

私はガイドブックだけでなく、刃渡りのYouTubeも見て予習はバッチリです。が、前日にのび太が体調が悪いだのなんだのガタガタ言いだしたのです。黒戸尾根に恐れをなしたのか? さすがのび太! 私ひとりでは登れる気がしないのでキャンセルしようと思いましたが、気になるのはバスのキャンセル料です。本当に一人では登れないだろうか? 岩場鎖場は多いものの切り立ってはないし、刃渡りも慎重に歩けばなんとかなりそうです。コースタイムは6時間強。仮に倍の時間がかかったとしても日暮れまでには山小屋に到着します。いくらのろまの私でも倍の時間かければなんとか着くでしょう。あまり気は乗りませんが一人で登ることにしました。


23:00 毎日あるぺん号で竹橋出発 3時過ぎには登山口に着いてしまうので、マックスで寝ても4時間の睡眠です。乗車後すぐに眠るつもりでいましたが、ドライバー2人がずっとくっちゃべっていてうるさい。私は一番前の席なのでとてもよく聞こえます。トイレ休憩もこんな短時間に2回とり、私が眠れたのはだいたい1時間くらいでした。¥7,500-

黒戸尾根

3:00 尾白渓谷駐車場到着 もちろん夜明け前で真っ暗です。ドライバーさんが「クマがでたので、明るくなってから登ってください」と案内がありました。夜明けまでいったい何をすれば。。。 私は横になって寝たい気もしましたが、一緒にバスを人たちは、ゆっくり朝ごはんを食べたり準備をしたりして出発していくではないですか。真っ暗の中みんな歩くんだ。。。もともと気がのらないのにますますブルーになっていく私です。ここにいても仕方がないので、私も出発することにしました。3時でも多くの車が駐車していました。夜明け待ちなのか、すでに出発しているのか。自販機やトイレの電灯はついているので駐車場は真っ暗ではありません。登山口はこの写真の左方向です。

3:55 出発 他の人が出発するのを見計らって、後を歩かせてもらいます。

暗くてよく見えませんが、道の脇にはお店がぽつぽつあるようです。

4:05 竹宇駒ケ岳神社 奥に本殿があり、その本殿を左に行くと吊り橋があります。

まわりがどんな景色か見てみたい。川の音が聞こえて、きっとキレイな景色なんだろうなぁ

吊橋を渡ったあたりから山道らしくなってきます。

山道になってから、前の人からどんどん遅れ一人になってしまいました。怖いよぅ~ のび太がいればよかった。一人で歩いていると「この先ハチの巣があり、それを食べにクマがくるので注意」という看板が。誰か来て~ともたもたしていると、後か人が来ます。早いスピードで追い越しすぐに彼らのヘッドランプは蛍火となって遠ざかっていきますが、後から後から人が来ます。休日で人が多くてよかった!

5:30 あたりが明るくなってきました。

土の茶色だった視界がいきなり緑で溢れます。

こんな道がずっと続けばラクなのですが、一瞬で終わります。

急な道が続きます。

信仰の山なので石碑をところどころで見かけます。ここにも。

花は見かけませんが、胞子体が元気いっぱいです。地味だけどかわいい

またいらっしゃいましたよ。

キノコもいっぱい生えていました。種類もいろいろありましたが、私好みのキノコのみパチリ。

8:25 ついに来てしまいました、刃渡りです。ガイドブックにも「心配無用」とあり、YouTubeでも「たいしたことないですね」なんて言っていましたが、そんなわけないでしょ、だってナイフリッジでしょ?踏みだしましたが、ん? まったくたいしたことない。いや、そんなことはないはず。

と思っていたら数秒で終わってしまいました。本当にたいしたことはなかったです。鎖は雪山用なんですかね。

刃渡りを過ぎしばらくすると、ハシゴがでてきます。

ハシゴと鎖場の連続です。

8:55-9:00 刀利天狗(とりてんぐ) もう疲れちゃいました。無事に山小屋までたどり着けますように。

9:50-10:00 五合目小屋跡 広場になっていておやつ休憩。もう眠くて疲れて頭いたいです。お昼寝したい。

五合目すぐ下に祠があります。祠の前で休憩してもよかったかもしれません。右奥にハシゴが見えます。またハシゴかぁ。

そのハシゴです。

こんなところに鎖が

10:45-50 この橋の手前で一緒に休憩したおばちゃんが「ここまで来れば小屋はもうすぐよ」と言っていたので少し元気がでました。

おぉ、剣、見っけ。この他にも剣はあります。

小屋までもうすぐと言われましても、その「すぐ」の内容が濃い。ハシゴ、鎖場、もういいよ、お腹いっぱい。

まだまだ続きます。

たまにキノコに癒やされます。

11:15 七丈小屋到着 あーもういやだーと思っていたら、山小屋がひょっこり現れました。よかったー、ついたー!

ハシゴや鎖場の写真はほんの一部です。これでもかというほど続きます。一つ一つの岩場は難しくはないのですが、本当にひっきりなしに続くのでスタミナが必要です。逆に、時間をかければ私のようなゆるゆるの人でも登れるということです。この日、黒戸尾根にいた人のなかでは私が一番レベル低かったと思います。この尾根を日帰りでピストンしたり、テント担いで登ったり、なんとトレランしてる人って信じられません! 尊敬します。


七丈小屋(しちじょう)

こんなところによく山小屋建てたなぁというのはありますが、ここもそのタイプです。狭い尾根にまるでへばりついて建っているようです。手前に第一小屋、橋をわたってトイレ、その奥に第二小屋と尾根に沿って長く建物が並んでいますす。広いスペースがないのでベンチも少なく売店前は少し混んだかんじで、みんな譲り合ってベンチでくつろいでいます。

とりあえず受付をして寝床へ。食事もロクに食べておらずお腹が空いているはずなのに、食欲に勝ったのは睡眠欲です。1時間しか眠れなかったからね、まずはお昼寝。おやすみなさーい!長い部屋の奥がカーテンで仕切られていて、女性専用になっています。4人スペースのところ、ベテランお姉さまと3人でした。

のどがとても乾いて起きました。口をぱかんと開けて寝ていたようです。1時間強昼寝をして頭がすっきりしました。外のベンチにでて持ってきたパンを食べます。飲み物はもちろん冷たいものを、何がいいかなー なんだかステキな飲み物がメニューにありましたよ。ジンジャーエールです。ただのジンジャーエールではありません。北杜市のレストラン「DILL」さんのオリジナルジンジャーシロップを使用しているとのこと。しっかりジンジャーの味がしながらも飲みやすく、疲れた体には優しい甘さです。しかも山小屋の飲み物に氷が入っているなんて! このジンジャーエール、人気のようでとても売れていて、グラスを返却するとき「おいしかったです」と何人も言ってました。私ももちろん言いました「おいしかったです!」

そしてここの手ぬぐい超かっこいいんです! 黒戸尾根と書いてあり、剣が2本描かれています。通常手ぬぐいは¥800~¥1,000ですが、ここはだいぶ高めで¥1,500。ケチな私がそんな値段をものともせず3枚買ってしまいました。それだけカッコイイんです。

まだまだ時間はあるので食堂で読書タイム。ここの蔵書は少なめです。小説もってくればよかった。夜と朝はストーブに火がともりました。

17:00 夕食 えっ、ここもカレーなの? 明日の夕食は仙丈ケ岳の馬の背ヒュッテでカレーなのに! しかも昼食はこもれび山荘のおすすめメニュー、スープカレーを食べようと思ってたのに! カレー3連発になってしまいます。これはもうカレーめぐりツアーにしてしまおう。エビフライはサックサクです。社食のカレーはルーが少なめですが、ここのカレーはルーもたっぷりです。具は溶け込んでいるのか少なめですが、どんどん進んでしまいます。もちろんおかわりいただきました。

山岳医療グループの医師と看護師の方々がきていて、山での注意点のレクチャーをしてくれました。私はこの時点で500mlペットボトルの水も飲み切れていない状態で、「もっと水飲みなさい! だから脈が速いのよ」と注意されてしまいました。確かにいつも水分摂取が少ないんです、私。血もきっとドロドロです。ちなみに、水飲まないことと、完全右脚ブロック(心電図の異常)は関係ないとのことです。自分の不注意のせいで右脚ブロックになったのではないらしいので、これだけはよかったです。

消灯時間は20時ですが、とても疲れていて19時ころ寝てしまいました。明日歩けるかなー

 

1泊2食付:¥8,200-

夕食(カレー):17:00   朝食:5:00

消灯:20:00

トイレ:小屋外 洋式ぼっとん かすかに臭いますが快適です

電波:au 小屋内では圏外でしたが、外のベンチ辺りでは通じました


2 件のコメント

  • ぐれぶさん、1人で黒戸尾根凄いね。以前七丈小屋は食事提供無かったんだよ。そのカレーライス作ってる小屋番さん、以前甲武信小屋に勤めてた人が作ってると思います。

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