添乗員は見た! 和倉温泉加賀屋のおもてなし

部屋を断捨離していたら「加賀屋の流儀 極上のおもてなしとは」という本がでててきました。以前添乗員をしていて加賀屋に添乗で宿泊し、対応に感動して加賀屋の売店で買った本です。加賀屋とは「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で長い間年間総合一位に輝いていた旅館です(今はどうなんだろ)。本では、お客様に対するサービスだけでなく、従業員も大切にする加賀屋の在り方などが書かれなかなか面白い。加賀屋でのおもてなしを思いだしました。

添乗員だった私の加賀屋体験

一日目は宇奈月温泉泊、二日目は和倉温泉加賀屋さんへ泊まるツアーでした。日本一の旅館というので添乗員の私もとても楽しみにしていました。バスが旅館の前に泊まるとキタ――(゚∀゚)――!! 仲居さんたちがずらっと並んでお出迎えをしてくれます。このお出迎えは本当に実在したんだと私も大興奮。お客さまたちと一緒にバスを降り、お客様たちはそのままお部屋へ案内され、私はフロントで手続きのはず。。だったのですが、添乗員かばんを興奮してバスの中へ置きっぱなしということに気が付きました。バスはすでに少し離れた駐車場へ。取りに行こうとすると「添乗員さん、お待ちください。車をご用意します」と。こんなバカな添乗員ほっておいて~ 多分歩いて10分もしないところだったと思いますが、添乗員もお客様扱いしてくれるのですね。


ところで添乗員は何を食べてどんなところで寝ているのか。食事はだいたいお客様と一緒のことが多いです。お客様がとても豪華な食事の時は、添乗員食はなくかわりに会社から食事手当がでて適当に食べたりしてます。部屋もだいたい同じか少し狭いくらいのことが多いですが、時には窓のない部屋だったり、これ元は事務所でしょ?という部屋に簡易ベッドが置いてある部屋だったり、またはピンクピンクのキティちゃん部屋だったりということもありました。キティちゃん部屋、ぱっと見はかわいいのですが、かえって疲れました。

 

再び加賀屋さんのお話。加賀屋での部屋は、お客様たちは仲居さんがお布団をひいてくれる典型的な和室でしたが、私は和洋折衷でベッドのある部屋でした。部屋につくとテーブルの上におにぎりとフルーツがあり、しかも仲居さんがお茶をたてに来てくれました。添乗員にまでですよ! 信じられません! おいしくお茶はいただき、その後フルーツも。おにぎりは夕食が入らなくなっては困るのでやめておきました。食事はお客様はお部屋食ですが、添乗員は館内のお食事処で豪華海鮮三昧です。風邪をひきはじめていましたが気合いで乗り切ります。

そして翌日東京へ戻り、日をあけずに翌々日は同じツアーで宇奈月温泉へ。同じツアーに続けて添乗することを2連添といいます。1回目で現地での勝手がわかっているため2回目は添乗員にとって非常にラクです。ラクなのですが、私の風邪は本格的にひどくなりました。宇奈月温泉でも白えびやらアワビの踊り食いなどがでて豪華なのは数日前に知っていましたが、食欲がなくおかゆに梅干しだけにしてもらいました。


日中なんとか観光をこなし再び加賀屋さんへ。もうかばんをバスに置きっぱなしというヘマはしません。フロントで手続きをしていると「添乗員さん、声が。。。大丈夫ですか?」「ちょっと風邪をひいてしまって」本当はちょっとどころではない、かなり辛いのであります。声はまるで関取のようです。そのやりとりを見ていた着物の女性(仲居さんではない)が、手続きを終えた私に向かって「添乗員さん、甘いものはお好きですか?」と聞いてきました。その女性は私にロビーのソファで待っているように言い、近くのスタッフに何かを指示していました。飴ちゃんでもくれるのかしら、と思っていたら温かくてあまいココアを出してくれました。痛い喉が泣いて喜んでいます。後から思ったのですが、その着物の女性は小田真由美女将だったのでは?

部屋についた私は、おにぎりもフルーツにも目もくれず、すぐにベッドへ倒れこみました。仲居さんがお茶をたてに来てくれたのかもわかりません。朝まで寝ていたかったのですが、何かを胃に入れなければと思い夕食へ向かいます。お食事処にいくとこれまた豪華! いつもの私なら喜ぶところだろうけれど、とてもではないけれど食べられません。おかゆにしてもらえればよかった、食材がもったいない。。 よく見ると数日前に見た食事とメニューが違います。まわりの他の添乗員やバスの乗務員は、数日前に私が食べたメニューと同じものを食べてます。私だけ違う! 店員さん曰く「2回連続同じものをお出しするわけにはまいりません」 えー! たかだか添乗員よ? 加賀屋さんってここまですごいの?! 加えて「風邪薬はお持ちでいらっしゃいますか?」と。いいえ、持ってないのです。「フロントでご用意がありますので」 そうですか、食べ終わったらもらいにいこう。と思っていたらすぐにフロントスタッフが、風邪薬数種類を持って来てくれました。体調管理もできないバカな添乗員なんてほっておいて~

薬が効いたのか、朝起きたらすっかり元気になりました。朝ご飯はさすがに数日前と一緒でしたが、健康な体で食べるご飯はおいしい! おかわりもしてもりもり食べていると「お元気になられたのですね」と言われました。引継ぎが完璧すぎます、加賀屋さん。

添乗員にまでこのような対応をしてくれるのだから、お客様はもっと満足しているに違いない。確かにお客様たちは満足していたようですが、1件だけ気になることを言ってました。朝食もお部屋食なのですが、「お布団たたんでほこりが舞っている中で食事がはじまるのよねぇ~」なるほど。

加賀屋さんの素晴らしい対応に当時は感動していましたが、冷静に考えてみると添乗員にかかる費用って他のお客様たちがもってくれているということなんですよね。ここに泊まるなら陰膳やら記念日サービスしてもらわないと、何もなくてただ泊まるのは損です。

おまけ 蛸川温泉の逆対応

田舎の宿泊施設に行くと、気が利かないなぁというところはたまにありますが、嫌な思いをしたことは記憶にありません。が、添乗員仲間とプライベートで箱根観光の後に日帰り温泉で蛸川温泉、名の知れたホテルへ寄った時のことです。フロントで日帰り入浴料を払いお風呂へ向かう途中、友人がぷりぷりしてます。「あのフロントスタッフ、この前添乗で来たとき、無愛想でイヤ~な感じだったのに! なにあの笑顔っ 腹立つ~」 あからさまにそんなに使いわけるのか。きっと添乗員相手には笑顔をセーブして、お客様には思いっきり丁寧な応対をするのでしょう。加賀屋さんまでとはいかなくても、普通に人扱いはして欲しいものです。


2 件のコメント

  • こういう記事、とても面白いですね。勉強になります。
    昨日、大楠山に行ってきました。以前の記事通りの山でした。天気も良くて快適な山歩きでした。阿部倉温泉は残念ながら閉まってましたが・・・

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